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「1時間遅く寝て、その分仕事を終わらせる」
この一見すると生産的な行為が、実はあなたの時価総額を静かに棄損しているとしたらどうだろうか。
米RAND研究所が発表した衝撃的なレポートから、睡眠不足の「本当のコスト」を推計する。THE SOVEREIGNが睡眠を「健康の源」ではなく「資本そのもの」として扱う理由がここにある。
「眠い」は健康問題ではない、財務問題である
米国の世界的なシンクタンクであるRAND研究所(RAND Corporation)は、2016年に発表した大規模な報告書 "Why sleep matters: The economic costs of insufficient sleep" において、各国の睡眠不足によるマクロ経済損失を推計した。
結果は衝撃的だ。米国では年間最大4,110億ドル(GDP比2.28%)、日本に至っては最大1,380億ドル(GDP比2.92%)もの膨大な経済的損失が「睡眠不足」に起因すると推定される。
学術エビデンス:RANDの調査データによると、睡眠不足による労働生産性の低下は「欠勤(アブセンティズム)」よりも、出勤しているのにパフォーマンスが上がらない「プレゼンティズム(疾病就業)」などを通じて主に生じるとされる※1。
- 睡眠6時間未満の労働者: 7〜9時間睡眠の層に比べ、平均して年間で約2.4%の労働生産性を喪失すると推定される。
- 睡眠6〜7時間の労働者: 同様に約1.5%の労働生産性を喪失すると推定される。
たとえば年収800万円のビジネスパーソンが、平日に毎日5時間半しか寝ていなかったとする。このとき、彼は「自分が気づかないうちに」年間約19万円分(800万 × 2.4%)に相当するパフォーマンス価値を損失している可能性がある(モデル推定ベース)。
あなたの睡眠負債から「損失額(伸びしろ)」を計算する
THE SOVEREIGNでは、このRAND研究所のデータモデルを元に、現在のあなたの「見えない経済損失」を算出するシミュレーターを開発した。この損失額は、裏を返せば「睡眠を改善するだけで得られるリターン(伸びしろ)」である。
睡眠への投資は「ROIの高い投資の一つである」
もしあなたの理論上の損失額(伸びしろ)が年間数十万円単位に上るのであれば、取るべき手は極めて明白だ。
睡眠環境への投資──たとえば、体圧分散に優れた高級マットレスや、深部体温の低下を促す脳冷却枕(Brain Sleep等)、ノイズキャンセリング耳栓(Loop Earplugs)への数千〜数万円の投資は、条件次第では数ヶ月という短期間で回収されうる可能性がある。
睡眠を削ることは論外だ。我々は合理的な投資家として、自らの資本を削る負債をいち早く特定し、それを埋めるための的確なツールへ資金を投じなければならない。
VERDICT
睡眠不足は健康問題ではない。財務ハッキングである。
まずはシミュレーターで現状の「含み損」を可視化し、適切な睡眠デバイスへの投資によって直ちにこの穴を防ぐべきである。
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コラムを読む※1: Hafner, M., Stepanek, M., Taylor, J., Troxel, W. M., & van Stolk, C. (2016). *Why sleep matters—the economic costs of insufficient sleep: a cross-country comparative analysis.* RAND Corporation.